江戸からかみの手刷り作業をNHKテレビひるブラでたまたま
みました。
グラデーションは、大きな刷毛で塗り師(?)さんが、顔料の分量を手の感覚(または視覚?)で調節して塗っていました。
TV放映の中で 色をつけている作業の背景の黒板に胡粉○○g
水○○gという文字が書かれていて配合もあるのだなあと思いました。
本当に経験に依る手作業で、一朝一夕でできる技術ではないなと
思います。
下世話な話ですが、手刷りの襖紙は通常の襖紙の10倍くらい価格
が違います。グラデーションで二色をお願いすると、更に更に高価となり、沢山襖がある和室では・・・
その金額にびっくりして いつだったかお値引きをお願いしたことを思い出すと、
無理を言ったなあと今更ながら申し訳なくて反省します。
価格の訳が想像できなくて解っていないためでした。
京都のやはり伝統のある手刷りのからかみをお施主様がご要望になり、お電話させていただいたところ、
実際の工房をご覧いただいてからお話をさせてくださいとおっしゃられたことを思い出して、
納得しました。
TVでは和紙は越前和紙と言っていました。
和紙の色も昔から続く版木の柄も、顔料の色も繊細で手刷りの襖紙は工芸品に近いのかもしれません。
一般住宅では和室が少なくなっています。
また、襖紙は汚れたり、破れたりして、張り替えるもの
と考えられているので、工芸品のような手刷り和紙はなかなかいれられない現状です。
色があふれている毎日の生活の中で、繊細な日本の色である手刷りの襖紙を活かしていける空間をつくるのは
難しいなあと感じます。
でも、優しく心落ち着く日本の色柄なので残っていってほしい
と思います。
昨年までお仕事させていただいていたワークスペースでは
東京松屋さんの 彩 (いろどり)のサンプル帳が20年以上現役で使われていました。
サンプル帳をみるだけでも勉強になりました。
江戸時代から考えると20年なんてまだまだですね。